皮から革への変身
原皮から革製品に用いるためには、そのままでは使えません。
「皮」に鞣し(なめ)といわれる処理を施すことで、ようやく人間が使える「革」になります。
【鞣しとは】
原皮中のタンパク質(コラーゲン)を結合・固定・安定化させることで、腐敗・感想しにくい状態にする化学処理のことを指します。
皮靴用皮革の鞣しには主に2種類あります。
【植物タンニン鞣し】
古くから使われてきた手法で、植物の樹皮、木部、葉から抽出したタンニンを鞣し剤として用います。
鞣し方法は原皮をタンニン液で満たされた樽に漬けることで鞣し反応を進めます。期間は1~3ヶ月かかります。柔軟性・弾力性・染色性に劣るため、靴ではアウトソール(底)に使われることが多いです。革の断面は茶褐色です。
【クロム鞣し】
塩基性の硫酸クロム塩を鞣し剤として用いる手法です。
処理スピードが6~12時間と植物タンニン鞣しに比べて速く、今日のアッパー用革の主流方法となっています。柔軟性・弾力性・伸縮性・耐熱性・染色性に優れています。また、三価クロムにより、革の断面は青色になっています。
一般的にアッパー剤のみでアウトソール(靴底)には用いられません。